霊務
【礼子と愉快な仲間達ー46】


阿部が近付くと、
鏡にしっかりとその姿は
映っていた。







その霊は仁王立ちで、
首をグルグルと
360度回転させて
いたのだ。








これ、
顔に張り付いた札を
取るために、
礼子は首を回して遠心力
で取ろうとしてるだけ。






まずそれで、
軽く阿部の足を止めた。







なかなかいい感じだ…






阿部はそう思いながらも

同時に心の中で、別な
感情も生まれていたが、
それに気付いていない。







すると突然、
ピタッと首の回転が
止まった。








札が取れたのか、
ぼんやりと前が見える。

(札ではなく、
やっと顔から髪の毛が
取れた)







素顔があらわになった
礼子だが、その時、
目に異変が起きていた。







先程札夫に投げられた
札のせいだろうか?






目が軽くかぶれて
しまったのである。







そのせいで、礼子の目は
血のように真っ赤で
あった!
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