王子様は寮長様
「私こそ…ありがとう、椎菜さん。…蒼斗には要らぬ誤解をさせてしまっていたね。」
「いや…、俺こそ勝手に勘違いして貴方を遠ざけていたし…。」
「蒼斗にはSOOMAの後継者として厳しく育てようとして、親らしいことは何もしてやれなかった。すまなかったと思っているよ。」
相馬先輩は父親のそんな姿に少し戸惑っているようだった。
「でもすべてが誤解で良かった。俺にとってはそれだけなんです。」
相馬先輩はニッコリ微笑んだ。
「九条と血の繋がった兄妹じゃなくて…本当に良かった…。」
「それは…どういうことだい?蒼斗?」
会長が静かに口を開いた
先輩はスッと背筋を伸ばし、二人に向き合った。
「俺は九条が好きです」
相馬先輩…。
ほぅ…と会長はニヤッと笑った。
「椎菜さん、貴女が前に言っていた好きな人とは、蒼斗のことかい?」
あっ!そういえばそんな話を公園でしていたかも
相馬先輩は、?といった目で私を見てくる。
うわぁ、人に聞かれるのはなんか恥ずかしい。