王子様は寮長様
「なんか親友とか言ってた。」
「だね。確か情報によると幼なじみなんだよ。」
情報って…。すごいな。
でもあの二人が一緒にいると目立つよね。
学院の有名人を二年生になってから知るなんてなぁ。
勉強ばっかりで周りが見えてなかったなぁ~。
「あ、ほら、噂をすれば蒼斗先輩と猛先輩だよ」
教室の窓からは外を歩く二人の姿が。
移動教室なのだろうか。
うわぁ、女の子に囲まれてる。
ん?
猛先輩が私に気がつき手を振ってきた。
「きゃっ、ちょっと!猛先輩が手ぇ振ってるよ」
莉子が興奮して私をバシバシ叩く。
い、痛いよぅ。
相馬先輩も気がつき見上げてきた。
バッチリ目があってしまう。
どうしよう…。とりあえず挨拶しとくか。
私は慌てて軽く会釈した
相馬先輩はニッと笑って行ってしまった。
「…超カッコイイ。」
莉子がつぶやく。
でも、うん。
今のは超かっこよかった
日の光がほど好く射し、ポケットに手を入れて振り向いた相馬先輩はどっかのモデルのようだった
笑顔向けられてドキドキしてしまった。