王子様は寮長様
仕方ない。待っててって言われたし、待つか。
フゥと息を吐き、座り直すと、隣には猛先輩が座ってこっちを見ていた。
あっ。
「…今、椎菜ちゃん、俺のこと忘れてたでしょう?」
「そ、そんなことないですよ~…。」
一瞬、忘れてました~。
あ、ちょっと拗ねてるし
話題かえよっと。
「猛先輩も紅茶飲みますか?」
「うん。ミルクも欲しいっす。」
「了解っす。」
私はリビングへ行き、猛先輩用に準備をした。
「はい。どうぞ。」
「サンキュー。ん~、うまいなぁ。」
満面の笑顔。
可愛らしい人だなぁ。
なんだか、一緒に居ると和んでしまう。
そうさせる雰囲気がある人だな。
しかし、相馬先輩といい、猛先輩といい。
…本当、イケメンですね
猛先輩をマジマジと見てしまったよ。
「ん~、なんだい?」
「あ、いいえっ」
あまり見ちゃ失礼だったよね。
顔をそらし、紅茶を一口のんだ。
「さっきさぁ…」
「はい?」
猛先輩の声のトーンが少し変わった。