王子様は寮長様
「…、…い?、…おーい、おーい、九条?」
「へっ?ぉうわ!相馬先輩!」
呼ばれて振り向くと、相馬先輩が私を覗き込んでいた。
私はさっきのアイスクリーム屋のことを思いだしてしまい、顔が熱くなる
どうしよう、意識しちゃうよ。
先輩の顔が見れないよ。
私達は帰ってきてから、そのまま普通に寮長室から先輩の部屋でお茶してる。
これはこれですでに習慣化してるしさ。
「どした?気分でも悪い?」
「あ、いえ。大丈夫です」
「そうか?顔赤いよ?」
「えっ?わっ!」
相馬先輩はそう言って、私のおでこに手を当ててきた。
先輩の大きな手がおでこを包み、先輩の熱を感じる。
「だ、大丈夫ですから!相馬先輩!」
「そうかなぁ~…」
余計にドキドキするから手を離してください~。
私が焦りながらも、先輩をチラッと見ると、先輩はニヤニヤしてこっちを見ていた。
「あぁー!先輩!わざとでしょう!!」
「アハハッ!ごめん、ごめん。」
先輩はソファに笑い転げている。