王子様は寮長様


「何?ため息ついて。間接キスじゃ物足りない?」

「!?っ、はぁ!?」



な、何を言い出すんだ!?この人は!

私は怒りを通り越して、呆気にとられてしまった



「あの、失礼ですが、先輩はバカですか?」

「秀才です。」



知ってますよ。学力の話じゃないっつーの。



「相馬先輩、今日、変」

「ん~、久々の外出でテンションが上がってるかも。」

「では、ゆっくりお休みください。」



私はペコリと頭を下げて立ち上がった。

先輩はキョトンとした顔をする。



「…帰るの?」

「はい。」

「ふぅん…。」



不満げな先輩に背を向け、玄関へ行こうとした時



「さっきのぶつかってきた女の子」

「えっ?」



振り返ると先輩はソファに座ったままこちらをちょっと振り向き、じっと見つめてきた。


さっきの面白がる目ではなく。



「アイス屋で九条にぶつかってきた女の子。わざとだった。」

「わざと?」

「見覚えがある。」



ってことは、相馬先輩のファンの女の子ってことかな。



「ヤキモチかな。」



気になる人や好きな人の近くに女の子がいたら誰だってヤキモチはやくよね。



「そんなカワイイことだけならいいけどね。」

「どういう意味ですか」


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