心から好きと言って【完】



康太が入ってきた。




「留果・・・・、会いたかった」




そう言って、私の顔を触る。




「ゃっ・・・」




私が顔を避けると、渇いた音が部屋の中に響いた。




痛い。




頬を叩かれた。




「留果、口ごたえしないで」




「・・・康太・・・怖ぃ・・・」




涙が目に溜まる。




そしたら康太は笑う。




クスクスと笑う。




「留果あ、俺をこうしたのは誰だよ」




「・・・・ぇ・・・」




「留果だろお?」




・・・・そ・・・・う。




私。




私が康太をこうしたの。




康太のキス。




深いキス。



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