永遠

亮もあたしも保健室を出るとそれぞれの教室に戻った。
あの後、連絡先を交換した。

亮はあたしと同い年でクラスが違ってた。





授業中、黙って帰ってくるあたしを先生はもう当たり前のような目で見て、




「早く、席に着け」



と言った。
里奈はあたしのほうを一瞬だけ見て机に顔を伏せた。




「えー、明日は進路相談の日だ。忘れずに時間通りに来るように!以上」




いつもの『礼』という合図でチャイムは鳴り、教室は徐々に
うるさくなった。


一人で勉強する物も居れば、2人か3人で単語帳を持って騒いでるグループも居る。



あたしはというと、黙って黒板を眺めている。
暇になったら、携帯を取り出し、開け閉めする。




ちょっとしたフリーターって感じだった。






その日は早退した。
と言うより、抜け出した。



荒れているあたしがわざわざ先生に『早退します』何て言いに行くわけが無い。




家に帰っても母に進路の事でうるさく言われるだけ、
学校に戻っても先生に怒鳴られるだけ。




あたしはだんだん、居場所を失いつつあった。





「そうだ、亮に電話してみようかな」




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