SUDACHI〜じいちゃんがくれた宝物〜



―――あの頃の記憶が蘇る。


他に女をつくって出ていっちまったあいつ。


たしかおふくろが泣いてたっけ。



でも俺は泣かなかった。


まだ小学2年生だったってのもあるけど,

俺はどうしても泣きたくはなかったんだ。


一人でぎゅっと我慢して,
記憶の底に押しこめようとしていたんだ。



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