*桜恋*
「んぇ!?」


突然の事に、声が裏返って変な声が出た。


ななせは引っ張られるがままに、屋上へ連れて行かれた。





―――バタン



屋上の扉が閉まった。


「…昂汰!?」


昂汰はななせを逃がすまいと、ななせの手首を押さえた。


「こ、こう、た?」


ななせは昂汰の真剣な顔に少しひるむ。


昂汰は何も言わずにななせを見つめる。


徐々に顔が近くなって…


「こ、昂汰!?」

ななせが声をあげる。


「もう…俺我慢できない。」


「え!?」


ななせの体ががグイッと昂汰に引き寄せられる。


ぎゅぅ…


昂汰…?


ななせは今何が起こっているのか分からなかった。


私、昂汰に抱きしめられて―・・・


「ななせ・・・」
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