*桜恋*
「きゃー!遅刻遅刻!!」
ななせは制服に着替えると、
台所からパンを1枚取って、玄関へ走った。
昂汰は家の外で待っている。
どうしよう!もう遅刻決定だよ!
「新学期なのに~;;」
ななせはパンを齧りながら、玄関を走って出た。
「おま!ローラースケート?!ずるっ!」
昂汰は家の外でちゃんと待っていた。
「時間無いんだもん!!!私足遅いし!」
―――ジャージャーッ
昂汰は全力疾走でななせに追い付く。
「お、俺っ、待ってて、やった・・だ、ろ!!」
息を切らせながら、必死にななせの隣を走る。
「私が昂汰を置いてくって知ってて、まってたんでしょ?」
「可愛くね―な!!!」
可愛くなくて悪かったわね!
それより、遅刻だけは阻止しなきゃ!!!
新学期早々、遅刻なんて恥ずかしいんだもん!