りんごを剥く手


「冬希は知りたいの??」


「何回も知りたいって
いってるじゃん。」


語尾が小さくなった。
あなたの剣幕が凄かったから。
今までに無い反応、
今までに無い空気。



「俺は別に教えたくない。
現実味帯びて嫌だ。」

なんで...

「現実味おびたら嫌なの??」

声が震えた。

確かにこの空間は
不思議だったけど。
私はあなたに近づきたいのに。


現実味おびたいのに...



否定された気分だよ...




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