武士道絵巻
りくとれいは、くらい道の中を歩いていた。
「ねぇ、君の名前は?うちはれいだよ」
「僕は……。」
りくは一瞬悩んだが、れいが悪い人に見えなかった。
「りく。葉陰りく。」
「葉陰って、あの葉陰?」
れいは目を見開いて尋ねた。
「うん、僕は葉陰一族の息子なんだ。」
「だから、狙われてたんだね。」
りくとれいは、いろんなことを話しながら城に向かった。
「あとは、ここをまがればお城につくよ。」
「ありがと、れい。」
れいは微笑むと、今きた道を帰って行った。
りくが城につくと、たくさんの家来と利行、お雪が外に出ていた。
「りく様!!」
家来の一人が、りくをみつけた。
お雪は、りくに駆け寄り抱きしめた。
「あぁ、無事でよかった。」
「りく、なにがあったんだ。」
「三人組に襲われたんです。」
お雪は、ひどく驚きりくの怪我を心配した。
「おそわれた……。守りの術はかけたんだが。」
「利行様。今はりくが無事だったことを喜びましょう。」
お雪に言われ、そうだなと言った。
「嫌な予感が当たらなきゃいいが……」
りくは、その間もれいとまた会えればいいと考えていた。
その、一週間後。
葉陰一族は、滅びた。