私は嘘で出来ている。
「え?」


「俺、やっぱりお前のこと好きだよ。だから、お前が有本を追いかけるみたいに、俺もお前を追いかける。文句ないだろ」


「京也…」


新菜は京也が好きなんだよ?


そんな三角関係みたいなのは嫌だ。


私も新菜もそんな結果は望んでいない。


「ごめん京也。私がまた京也を好きになることは二度とないよ」


「きっついなぁ…」


聞いていた詩乃が独り言のようにぼやく。


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