私は嘘で出来ている。
「言えば?」


菫さんがアッサリ言った。


「約束してんでしょ?じゃあ言うべき。それが貴方達のルールなんだから」


「私はそうは思わないけど」


ユラさんがワイングラスをコトリと置いた。


「隠しっこなしなんて、中学生じゃあるまいし。そもそもガァ子ちゃん、現時点で新菜ちゃんに本当に隠し事してないわけ?」


「いや…」


「ほらみなさい。新菜ちゃんだって絶対まだ隠し事あるわよ」


そういえば、新菜の『目標』とやらをまだ聞かせて貰ってはいない。


< 134 / 210 >

この作品をシェア

pagetop