私は嘘で出来ている。
「いらっしゃいませ~」


ドアが開く気配と同時に皆の声が響いた。


「お出迎えしなくちゃ」


「あ、私も行く!」


咄嗟に新菜が席を立った。


「アンタはお客様の相手してなさいって」


「それ、客にする態度じゃないから」


私が二人を指差したものだから、ユラさんと菫さんが苦笑いした。


「すみません、ちょっと外します」


私を無視して新菜はテーブルを離れた。


早く、と私に目配せする。


仕方ないなぁ。


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