私は嘘で出来ている。
京也はホッとした顔をした。


「いや~まさかと思ったけど、住所がここだったからさ。いて良かった。ゲイバーならゲイバーって言えよ」


「どうして来たの!?」


「どうしてって会いたくなったからだよ。友達からまた彼氏に昇格しないと…」


京也の視線が私の右隣に移る。


ハッとした。


「…有本?」


新菜はただ無言で立ちすくんでいた。




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