私は嘘で出来ている。
外は生温い空気が漂っていて、気分が悪かった。


「お前、正気?」


「何が…?」


「有本だよ、本当にあんなカマ野郎が好きなわけ?」


「そうよ」


「どうかしてるって。目ぇ覚ませよ。アイツ間違いなくゲイだろうが」


「お願い!黙ってて」


「何を?」


「新菜のこと!あの子はあの子で一生懸命なの!変わりたいって頑張ってるから…!」


「ニイナ?誰それ、有本だろ」


彼女を馬鹿にした言い方だった。


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