私は嘘で出来ている。
確か七階―――


ポストで階を再確認した。


間違いない。


オートロックのエントランスで部屋番号を押して鳴らす。


「はい…ケホッ」


力無い返事だった。


「…真昼で…す」


気付くと、全力疾走していた私の息は切れていた。


「ガァちゃん?どうぞ」


エントランスが開いた。


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