あなたが探偵?私が助手?





「あり…がと……」



お礼を言って、桐谷さんから離れる。



鼻をすすって、こぼれた涙を拭う。



「スッキリした?」


「はい、とっても」


「…よかった」



そう言って、フッと、優しく笑った桐谷さんは、今まで見てきたどんな顔よりもカッコよくて、不覚にもときめいてしまった。




「清香」



ん?



………ポクポクポク、チーン




「はぁぁあああっっっ!!??」



思わずめちゃくちゃデカい声を出してしまった。



桐谷さんが眉間にシワを寄せる。



今なんつった!!?



この人、なんつった!?



「なんだ、そんなに嫌か、俺に名前で呼ばれるのは。」



明らか不機嫌な桐谷さん。



ワォ、
後ろにサ〇ンがいるよ♪♪



じゃなくて!!



「い、いいい嫌じゃないけど……」


「けど?」


「なんで、いきなり?」



いきなりは恥ずかしい。



私、乙女なの。←そこ、キモイとか言わない。




「別に、守村さんと守村じゃややこしいし。」



確かに。
同じ名字だもんね、


仕方ねぇの、
血よ、血。



なんだぁ、
それだけかぁ……




って!!



「違う違う!!何、残念がってんの、私!!」


「は?」



桐谷さんが眉間にシワを寄せる。



やば、
声に出してしまった。



「べべべ別に、なにもございません。所長様。」


「怪しすぎ。つか、“所長”てヤメロ。」


「え、桐谷、さん…?」


「いや“冷泉”で構わない。」



無・理☆



「冷…泉は、無理。ハズいし。言えない。」


「言えてんじゃねーか。」


「う”」


「ま、いーや。“桐谷さん”で。“今”は、な?」



そう言って桐谷さんは私の頭をポンと撫でて、
妖しく笑った。



う、
フェロモン大分泌!!



てゆーか、“今”はって!!“今”は!?












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