unrequited love
ワクワクが止まらない
あれから1週間が経とうとしていた。
忙しいのか栄一さんとのメールは1日1往復くらいだけど、他愛のない日常やその日にあった面白い事など送ってくれたりして、メールからも優しい人柄と雰囲気が伝わってくる。
毎日帰る頃に届くそのメールを私は楽しみにするようになっていた。

もうじきその時間。そわそわしながら充電器に置いたケータイを横目で見ると着信のランプ。
背面液晶に栄一さんの名前が表示されると同時に私はケータイを開いた。

『お疲れ様
今日も暑かったですね。会社を出る時にまだ少し明るくて、もう夏なんだなーとしみじみ思いました。
そうそう、こないだ言ってた食事の件ですがいつが都合いいですか?あと、何か食べたいものはありますか?』

待ちに待ったお誘いに私の心は跳ね上がる。
「うーんと、今度の週末は……」
手帳を広げ予定を確認する。
「金曜の夜でもいいけど、やっぱりゆっくり話したいから土日の方がいいよね。日曜は千佳と買い物に行く約束してるから、土曜か」
早速返信ボタンを押してメールを書き始めた。

『お疲れ様です
陽が延びましたよね~。いつまでも明るいから時間間違えそうになっちゃいます

週末は土曜日なら空いてます。もしダメなようなら金曜の夜かその次の週でも大丈夫ですよ
食べたいもの・・・急には思いつかないんですけど、栄一さんのオススメのお店とかはありますか?』

この内容で大丈夫か何度も読み返して確認する。
「よしっ!」
気合を入れてから送信ボタンを押した。

金曜の夜のせいかほどなくして返信があった。
いつもみたいに明日返って来るかと思ってたから少し慌てる。

『じゃあ土曜日にしましょう
オススメはイタリアンか蕎麦屋かな。
他にもどこか行きたい所とかあったら考えておいて下さい』

「はい!」
あまりの嬉しさにテンションが上がってしまい、メールなのに声を出して返事をしてしまった。
急いで返信内容を考える。

『ありがとうございます
イタリアンがいいな
新しげなスポットとか、ちょっと調べておきますね』

送信した後もワクワクは止まらず、タウン誌を見みたり、流行りのデートスポットを調べたり、一人でも妄想は広がるばかりだった。
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