はるひなっ!
俺があからさまに嫌な顔をしているのに気が付いたのだろうか。ソイツは俺の顔をじっと睨みつけてくる。


「通行の邪魔よ。壁みたいにボーっと突っ立ってんじゃないわよ」


と面と向かって言って来やがった。何故ほぼ初対面の奴にそこまで言われんといかんのだ。さすがに俺もちょっとイラッと来た。


「……壁はお前のココだろうがよ」


と俺は自分の胸を指差して言ってやった。要するに「お前貧乳だな」と言う事である。

普段なら女の子にこんな最悪な事は言わないのだが、多少頭に血が登っていたのだろう。若気の至りと言うやつだろうか。
すると、ソイツはまるでリトマス試験紙を酸性の液体に漬けたかのごとく一瞬で顔を真っ赤に染めた。

そして次の瞬間、見事なまでの蹴りが俺の鳩尾を直撃する。


「うう……うるさいっ!女の子にそんな事言うとか最っ低!死ねっ!」


そう言って貧乳暴力娘は教室を飛び出して行く。呼吸がままならない苦しみの中で、俺はどうやら地雷を踏んでしまった事を確信した。
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