溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「…どうした?疲れてるのか?…まあ疲れただろうなー」

気づくと、目の前には端正な濠の顔。
二重でほんの少し切れ長の瞳はかなり魅力的で、ホテルマンという接客業にはもってこいの顔。

私が15歳の時に初めて会った、当時17歳の濠は、その頃から格好良くて。

きっと私の初恋で。

唯一の恋。

長すぎる初恋を未だに引きずる私ってとんでもなく重いよね…。

「…透子?」

じっと私を見つめる濠の瞳に不安げな揺れを見つけてしまう。

そう…いつも私を心配してくれる優しい濠。

「…出張っていつまで?」

「ん?明後日の土曜日から一週間。
寂しいなら一緒に来てもいいぞ」

口角を微かに上げながら笑って。
本気でそう言う濠。

「…無理だよ。フランスでしょ?そんなに休み取れないから…」

「だよなー。
出張の度に休み取らせて連れてくわけにはいかないもんな」

本気で悔しそうに呟いて、

「でも、去年一緒に行ったニューヨークは楽しかったな」



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