溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「…俺が聴力の障害で入院してただろ…?
透子と初めて出会った時は全く何も聴こえなくて主治医だった森下先生も
困り果てるくらいに荒れてたよな」
「あ…うん」
突然の昔話に透子は首を傾げるけれど、何も言わずに俺の言葉を待っている。
ゆっくりと、透子の肩を抱いて俺の胸に引き入れると、その体温にホッとする。
逆らう事なく体を寄せる従順さにも愛しさがあふれる。
「…透子にも優しさ以外の冷たい感情ばかり見せてたよな。
ま…ガキだったから忘れてくれ」
くすっと笑う透子につられて俺も笑ってしまう。
「あの時一番つらかったのは、聴こえない事もだったけど…原因がわからなかった事なんだ。
治療できるなら、どんなに苦痛を感じても頑張って治療してたと思うけど、どうして突然聴こえなくなったのかわからなくて…。
ま、原因不明の難聴って言われて。
いつまでこんな生活を続ければいいのかもわからないままでどんどん荒んでいってたんだ…」
意識して淡泊にあっさりと言おうとするせいか、早口になる言葉の端々に苦しかったあの頃の感情が見え隠れしてしまう。
低い声には普段忘れている焦燥感すら蘇る。
「何が原因かも、どう治療すればいいのかもわからないままに毎日過ごしてて、ちょうど大学受験で勉強やらなきゃいけないのに集中できないし…。
未来を考えられない事が苦しくて狂いそうだった」
あの18の頃の俺には、生きる為にただ毎日を生きて、将来への希望も夢も何もなかった。
いつになったら音のある世界に戻れるのか…もしかしたらもう戻れないんじゃないかと…暗い世界にいた。
「原因不明の難聴が治ったのは…透子が俺の目の前で倒れたあの時だ。
苦しそうに俺の前で崩れていく透子がスローモーションで…消えていくようなあの時の事ははっきり残ってる。
今でも心臓に悪い記憶だけどな」
ふっと一旦言葉を切る。
何度思い出してもつらい。
目の前で消えるんじゃないかと、恐怖以外の感情が全てなくなったあの時。俺にはとうてい耐えられないだろうと…透子のいない未来に絶望したあの時。
「でも…あの時に初めて濠の声を聞いたよね」
俺の胸におさまる透子が呟く…。
透子と初めて出会った時は全く何も聴こえなくて主治医だった森下先生も
困り果てるくらいに荒れてたよな」
「あ…うん」
突然の昔話に透子は首を傾げるけれど、何も言わずに俺の言葉を待っている。
ゆっくりと、透子の肩を抱いて俺の胸に引き入れると、その体温にホッとする。
逆らう事なく体を寄せる従順さにも愛しさがあふれる。
「…透子にも優しさ以外の冷たい感情ばかり見せてたよな。
ま…ガキだったから忘れてくれ」
くすっと笑う透子につられて俺も笑ってしまう。
「あの時一番つらかったのは、聴こえない事もだったけど…原因がわからなかった事なんだ。
治療できるなら、どんなに苦痛を感じても頑張って治療してたと思うけど、どうして突然聴こえなくなったのかわからなくて…。
ま、原因不明の難聴って言われて。
いつまでこんな生活を続ければいいのかもわからないままでどんどん荒んでいってたんだ…」
意識して淡泊にあっさりと言おうとするせいか、早口になる言葉の端々に苦しかったあの頃の感情が見え隠れしてしまう。
低い声には普段忘れている焦燥感すら蘇る。
「何が原因かも、どう治療すればいいのかもわからないままに毎日過ごしてて、ちょうど大学受験で勉強やらなきゃいけないのに集中できないし…。
未来を考えられない事が苦しくて狂いそうだった」
あの18の頃の俺には、生きる為にただ毎日を生きて、将来への希望も夢も何もなかった。
いつになったら音のある世界に戻れるのか…もしかしたらもう戻れないんじゃないかと…暗い世界にいた。
「原因不明の難聴が治ったのは…透子が俺の目の前で倒れたあの時だ。
苦しそうに俺の前で崩れていく透子がスローモーションで…消えていくようなあの時の事ははっきり残ってる。
今でも心臓に悪い記憶だけどな」
ふっと一旦言葉を切る。
何度思い出してもつらい。
目の前で消えるんじゃないかと、恐怖以外の感情が全てなくなったあの時。俺にはとうてい耐えられないだろうと…透子のいない未来に絶望したあの時。
「でも…あの時に初めて濠の声を聞いたよね」
俺の胸におさまる透子が呟く…。