溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「…あ、今夜は自分の部屋に帰るって言ってなかった?」

ふと思い出して聞いてみる。
確かに、出張の準備があるから今日は私の部屋に来ないって言ってた。

「準備できたから、あさっての朝ここから出張行く。
スーツケースも持ってきたし。
透子一週間も俺と離れる時いつも泣いてるし」

「…っ」

何気なく言われたけど…どうして…?

「どうして知ってるのかって顔してる」

「えっ…」

私の思いを読み取るようにじっと視線を合わせる濠…。

「どれだけ一緒にいると思ってるんだ。
透子の考えてる事なんて簡単にわかるんだよ。
…何でもわかるんだ」

まるで私に言い聞かせるみたいなゆっくりとした口調が、まるで。

週末に予定している引っ越しを知っているように聞こえてドキッとした。

きっと揺れている私の表情に気付いた様子はないけれど、確かに私の事なら何でも理解している濠に隠し事なんて…初めてかもしれない。

「なあ、泣くほど寂しいなら…一緒に来ないか?」

「え…?」

「…冗談…。今回は無理だよな…」

寂しそうな顔が、やけに気になる。
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