溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~




心臓の手術を数日後に控えた15歳の私は、そんな緊張感のある日々のなかで、初めて恋をした。

入院中知り合った真田 濠という二歳年上の男の子。
小さな頃から入退院を繰り返していた私には、友達も少なくて寂しさを抱える事に慣れながら生きていた。

恋をするきっかけも、出会う機会も少なくて、自分には恋をするなんてできないんじゃないかと思っていた。

けれど。

たまたま耳鼻科の診察室で最悪の出会いをした濠と、何度か顔を合わせるうちに。

私の心はぐっと掴まれてしまって、診察や治療の時間以外は、そわそわと濠を探したりしていた。

原因不明の急性の難聴で入院していた濠の精神状態はかなり荒れていて、私が近寄る度に不機嫌な顔を向けられるだけで、睨まれる事もあった。

筆談やジェスチャーで話しかける私をあからさまに拒否したり避けたり。

今振り返ると、恋愛初心者の私の頑張りはすごかったな…かなりしつこかったな…って褒めてあげたくなる。

私が心臓の病気を患ってるって知らない濠は、中耳炎の治療を受ける私の事を『脳天気な女』としか思えなかったらしい。

いつも自分の周りで笑ってる変な女。

『中耳炎くらいで入院なんて大袈裟だろ』

自分は耳が聞こえなくて、これからどうなっていくのかわからない不安と絶望の中で足掻いているのに。

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