溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「ごう…お風呂入らなきゃ…」

キスの合間に呟くと、被さるように唇を覆う濠の唇が熱い。

「…もう少し、欲しいくせに」

軽く笑う余裕はどこからくるんだろう…。
いつも私の気持ちを知り尽くしたような声が包み込んで、私が何も言わなくても望む事をしてくれる。

最初に出会って15年…。

近くに寄り添って生きるようになって10年…。

その重みが濠を余裕いっぱいの男に育てたのかな。

私が濠を好きで仕方ない気持ちもとっくに見抜かれていて…何をどう突っ張っても、本心に反して意地を張ったり拗ねても動じない強気な濠…。

「もう少しだけ…」

思わず出る私の小さな声をからかうように、キスは深くなって息が漏れるのを我慢できない。

「もっと…の間違いだろ?」

背中に回された手に力が入って更に二人の距離は近くなる。

そう。

もっと…もっと。

キスしたい。

抱かれたい。

一緒にいたかった…。

溢れ出しそうな切なさを隠すように、私が返すキスも徐々に熱く深く。

そんな熱に、ただただ浸っていた…。
< 9 / 341 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop