*銀狼-ギンロウ-*
「気なんか別に使ってない」


苛々する。
それに頭痛と吐き気。

思い出せない自分に焦燥感が溢れて。


「ごめん。こっちこそ思い出せなくて。早くほんとの俺に会いたいよな」

言って嫌みだと気付く。

「…ゆっくりでいいよ」

サヤカが優しく囁く。



「おお」


何だか複雑な気分だった。


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