*銀狼-ギンロウ-*
「へぇ」

まぁ別にどうでもいいけど。
コイツが好きなのは俺じゃない“カイ”なんだし。

どうせただ“カイ”に会いたいだけだろ。


「…セフレだったんだー。カイと」

「はぁ!?」

俺は大声で叫んでしまった。
だってコイツがとんでもないこと言い出すから。

「セフレだった頃は気付かなかったんだけどね。セフレ止めてから、好きだって気付いた、のに…」

サヤカの目からは涙が溢れ出ている。

俺はオロオロして、ポケットに入っていたヨレヨレのハンカチをサヤカに渡した。

「ごめんね。カイに気つかわせちゃって」


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