キミとの恋の課外授業

「じゃあ、次の授業遅れるなよ!」

あたしの頭をボサボサにして気がすんだのか。

省にぃは、満足そうな顔で体育館を出て行った。


「あたし達も早く行こう!次の授業遅れちゃうよ!」


遅くなったと焦る恵美に引きずられてたどり着いた更衣室。

制服に着替えて鏡をボーと見ると、朝ちゃんとサラサラにセットした肩まで伸びた髪が無惨に広がり惨めな姿。


「省にぃの馬鹿。
今度会ったら文句言ってやる!」



ブツブツ文句を言いながら髪をセットし直していると


「里沙!ヤバイって!あと3分で次の授業始まっちゃうよ!」

「そんなぁ~」

まだセット途中なのに。複雑な気持ちのまま半分ボサボサ頭で更衣室のドアを開けた瞬間…


「あっ…」

あたしは自分の運のなさを呪った。

なんで?こんな時に…?


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