先輩王子のちょっと危険な甘い罠
この時の私は、もう夏のワンピースなんて買わなくても、こうして先輩といたいかも…と思うようになっていた


そんな私の気持ちを知ってか知らないのか、わざと弄んでいるのか、先輩はまた変な事を言い出した


「ちょっとも俺を買う気にならねぇ?」


「買う気って…」


「もうすぐ夏が来ちまうな〜」


先輩は窓際に立ち、窓を少し開けた


少し生温かい風が図書室に吹き込む


そっか…もうすぐ梅雨だね


ジメジメするね


こうして楽しい放課後もだんだん終わりに近付くんだね





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