本物の愛
落ち着いたっていうか、思い出したくないの。

タクの顔なんて……。

一生引きずれば、立ち直れなくなる。


「タクにまたなんかされそうになったらあたしに言ってね!」

「…うん。ありがとう…」

「…タクのこと、許せないから。
だからまた繰り返したくないから」

そう力強く言うかすみ。

こんなにいい友達持ってあたしは幸せだね。

どれだけ感謝したらいいのだろう?


「紅香、今度ケーキバイキング行こうねっ♪」

あたしを元気つけるために…。

「うんっ!行こうね!」


あたしが悪いんだから、タクだけのせいぢゃないんだよ。

そう、かすみに言えなかった。
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