【短】野球ボール〜励ちゃんの春〜
2()()へぇー
「ピンチだな…」


俺達も正式に高校に入学して、入部届も出した頃…なぜか深刻な表情の渉さん。

ちなみに、渉さんは副キャプテン。


「どうしたんすか?渉さんが悩んでるなんて、超貴重っすね!!」


「どーいう意味だ…?コルァー!!」


すかさず爽にキックをお見舞いする渉さん。

でも確かに、渉さんは普段うるさいぐらいの人。

よっぽど何かあったんだ?




「このまま新入生が入部しないと!!お前らの代で廃部だぞ!!」


『え?』


俺と一輝と爽、三人の声が綺麗に重なった。


「え?じゃねぇよ!!どう考えても人数足りねぇだろーが」


野球は九人でするスポーツ。

まぁ実際は、九人なんてギリギリじゃまともな練習はできない。


それなのに今は……

三年生五人、二年生四人と俺ら三人。


三年生が引退したら、最低でもあと二人入らなきゃ絶望的ってことか。
< 12 / 29 >

この作品をシェア

pagetop