【短】野球ボール〜励ちゃんの春〜
「大変ですねー」


「励ちゃん、何呑気なこと言ってんの!!ヤバイじゃんかっ」


ギャーっと叫ぶ爽。

確かに、試合に出られないのは嫌だなー。


「あの、俺ちょっと考えあるんすけど」


俺らの目が一気に一輝に向けられる。


「まじか!!で、どういうことだ?」


渉さんも真剣な目で一輝に問う。

少し間を置いて、一輝がゆっくり口を開いた。




「うちのクラスに目立つ女がいるんすよ」


目立つ……女の子?

ビックリして、そのまま一輝を見つめる。


「目立つって!?不良!?」


「爽黙れ!!」


「ぐは…っ!!」


あ、爽が飛んだ。


渉さん…何で野球部なんだろう?

プロレスラー目指すべきじゃ…?


「クラスの奴らが言うんすよ。ソイツと同じ部活に入りたいとか」
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