蜜林檎 *Ⅱ*
愛がほしい

愛がほしい

さっきまでの、重苦しい
雰囲気は無くなり

東京公演の成功を集まった人達
と酒を飲み祝い合う。
 
いつものように、楽しい宴が
繰り広げられていく。

メンバーと話す樹の傍に
たくさんの人が集まりライブの
成功を祝う言葉をかけてくれる
 
樹は『ありがとう』と、御礼の
言葉を一人ずつに、ちゃんと
答えていく。
 
遠くで百合と同じように樹の姿
を見つめていたまりあは

百合には到底・・・

敵わない事を知る。
 
そして、自分の事をとても
恥ずかしく思うのだった。

百合と瑠璃子は、あやめに別れ
を告げ、共に会場を後にした。

家に着いた百合は、眠る真
我が子を一目見て杏の部屋を
ノックするが、返答が無い。

「アン、寝ちゃった
 開けるね?」

ドアを開けた百合は、杏の姿が
無い事に驚いている。
 
そこへ、車の鍵を片手に
雅也が帰って来た。

「アンなら、イッキの
 ところに帰ったぞ
   
 今、送って来た」
< 211 / 275 >

この作品をシェア

pagetop