明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。

そう思って一瞬立ち止まったけれど
結局後続の人たちに押されて俺は地下鉄に乗り込むかたちになる。

ドアが閉まり警笛が鳴って地下鉄は走り出す。


窓に映る自分を見つめながら考えた。

さっきのは…雨霧?

まさか。


彼女が俺を呼ぶなんてありえない。

あのときも
あのときだって

彼女は俺のことを怯えた目で見ていた。


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