明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。

そんなことを思うたびに
アタシの中にはまだ残っている先生の腕の、胸の、髪の…
感覚が鮮やかにはっきりと蘇る。

…いつの間にか視野がぼやけはじめる。

そして涙がこぼれて自分が今泣いていることに気付く。



毎日こんなことばかり繰り返している。


アタシは教室のベランダに肘をついて外をぼんやりと眺める。


展示クラスのアタシは当番で受付のために1人で教室に残っていた。

でも今、
中庭でステージをやっていてお客さんはいない。



ダメだな。アタシ。




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