修羅と荊の道を行け
「咲耶が最初に泥水を頭からかけられたから。さすがにその姿をみたら謝るしかないわよね」

確かに。

「それ以来、咲耶は攻撃されると倍で返す癖が身についたのよ。拳には拳、言葉には言葉って」

それ以来、咲耶をいじめる者はいなくなったらしいが、心から付き合える友達を作れなくなったと女将は言った。

「もしかして男嫌いも」

「そこか起源でしょうね。あの頃の男の子って好きな女の子にちょっかい出したいものでしょ。それだったかもしれないけど、咲耶にそうは受け取れなかったのかもね」

オレにもそんな経験はあるが、女のトラウマになるとは思わなかった。

もしかしたらオレの過去にもいたかもしれない。

だとしたら申し訳ないと思う。

「でも咲耶は、浪川くんっていい男を見つけたから。良かったんだよ」
< 111 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop