修羅と荊の道を行け
修羅道5
浪川くんを送って、家に一度戻ろうと車を走らせようとしていると、電話がかかってきた。

「はい。氷樹ちゃん、どうしました?」

氷樹先生からだった。

「…ん…。分かった。一時間ぐらいでそっちに行くね」


氷樹先生の一大事だ!一気にアクセルをふかして家路を急いだ。

家に入るととドカドカとでかい足跡が聞こえてくる。

「咲耶!貴様、男を家に連れ込んだのか!」

父親が眉間にシワを入れながら迫ってきた。

「彼氏を家に呼んで何が悪い!20歳越えてんだから良いでしょ」


「家主に許可なくあげるなと言っているんだ!どこの馬の骨だ!」


言い回しが古い。

「眞一郎に聞いて」

「何でもかんでも、眞一郎くんを頼るんじゃない!今度連れて来い」

「無理。忙しいから」

「咲耶!お前もそろそろ将来を考えろ!いつまでも一人フラフラとしてて良いと思っているのか」
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