修羅と荊の道を行け
「そうですか…」

バタバタと暴れはしなかったが、指で布団を突っついている。

「横になるか。まだクラクラしてんだろ」

身体を横にして、布団をかけた。額にタオルを乗せた。

「何から何まで…すいません」

「気にするな。昨日散々、世話になったんだ」

オレの頭の中では病気になった咲耶を看護する妄想が展開されていた。

縁起でもない想像だが、咲耶と一生を遂げる決めたんだ。あらゆることを想定しておくに越したことはない。


想像しているうちに、なんか涙が出てきた。

目を閉じて寝ている本物がいるせいかなんか、リアルだ。

鼻を啜ると、盛大な音がして、咲耶が目を開けた。

「どうしたの?」

「何が」

「鼻水でてる」

「ちょっとな」

側にあるティッシュをとって鼻をかんだ。

言えるか!本人を目の前に、病気で倒れて最後を看取る所を想像して泣いてたなんて。
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