修羅と荊の道を行け
「オレも寝るから、咲耶ももう寝ろ。なんかあったら呼べよ」

涙をごまかして、隣の布団に潜りこんだ。

「おやすみなさい」

「おやすみ」

おやすみと言ったが眠れない。寝過ぎたせいで頭が冴えて、いろんな妄想が浮かんでくる。

結婚式、出産、育児、夫婦喧嘩、娘の結婚式、

娘の結婚を想像した時にもう涙が止まらなくなった。

鼻を啜れば、咲耶に泣いているのがばれるかもしれないと思い、うつぶせになり、枕を頭にかぶった。

そして夜が明けた。

一睡もできなかった。案の定。


「どうしたの!目、腫れてるよ」


起きぬけの顔を咲耶に見られてビックリされた。

「ちょっと目がかゆくてな」

洗面台の鏡を見ると、目が一重に見えるくらい腫れている。

泣きすぎだ。しかも想像で。

「これで冷やした方がいいよ」

咲耶が冷やしたタオルを目に当ててくれた。
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