桃ずきんちゃん 《ヤンキー王子×イジワル女王様》
「寝てるとか?…あるな」
愁はベッドへ足音をさせないように近づきました。
しかし、布団は膨らんでいません。
ベッドの縁(ふち)に座り、亜耶が行きそうな所を考え直しました。
いつもなら、布団に一人でふて寝をしているハズなのですが……
今回は違ったようです。
ふと音のする方へ視線を上げた時でした。
「亜耶っ!!」
テレビ前にあるフカフカの三人掛けソファー。
ひじ掛けに乗せられているのは桃色のずきん。