ネバーランドへの片道切符
一気に虚妄から目が覚め、現実を叩きつけられた。


最初っから知っていたこと。


彼はいつまでもマユを愛している。


私に目を向けないことも全部最初から分かっていた。


私に勉強を教えを教えてくれるのも、マユに、いいところ見せたいから。


マユとの深い繋がりを持ちたいから。


――最悪。私は利用されただけなんだ。


……今までの彼の優しさが全てマユに好かれる為の計算だと思ってしまう。


彼を汚い人間にしてしまう。
そうすれば、キライになれる……
今度は好きなコトから目を背けてしまう。


そんな私自身が大キライだ。


認めなきゃ。
嫉妬してこれ以上、姉と彼、私自身をキライにならないように……


認めなきゃ。
彼は私を好きにならないってこと。


認めることが出来なくても、こんな現実逃避しても、なに一つ変わらない。


その腕の中が、幸せだったかもと思っても、抱かれた後は残していたのは、寂しさとやるせなさ。


そして、現実逃避をしても、
この変わらない事実に逃げられなかった。


今、私の心を支配しているのは虚無感。


そして、私の手の中にはネバーランドから脱出するための、現実行きの切符があった。
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