どこかで誰かが…
「ウソつけよ。おまえのワントップだろ?」

「つきあいがあんの!」

「…そーだな。色々あんだろうなぁ、俺ら共学とは違う、ナンカがさ。」

「俺ら?」

「堀口も入ってるよ。」

「…うぜ。」


共学に通う佳菜子の周りには、当然、男子がウヨウヨしている事実を、実は敏感に受けとめている大沢だけに、清瀬の話に苛つき、一方的に電話を切っていた。


そんな大沢にも、大沢なりに考えることがある。


佳菜子から、前半戦は間に合わないと聞いていた大沢は、
後半戦に入った途端、有言実行のゴールを決め、
“ご褒美のキス”のきっかけには出来過ぎなくらい、佳菜子の気持ちを釘付けにした。


初めての恋愛で、純真無垢な佳菜子と違い、
自信過剰な大沢にとって、キスをねだることなど容易いものだ。

しかも、

クラスや部活で、自分以外の男子とも関わっている佳菜子と、
男子校に通う自分を比較して、
不公平と考える大沢は、
友達の彼女が連れてくる女子と会うことに、なんの罪悪感もなかった。


前もって約束していた休日でも、

「男同士のつきあいでさぁ…」

「そーだよね。たまには練習以外での交流も持たないとね!」

「そうそう!」

前日になってのドタキャンを、問い詰めることのない佳菜子。


この状況を、苛立たずにはいられない、ゆっこは言う…


「ちょっと、甘やかしすぎなんじゃないの?!」

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