どこかで誰かが…
携帯電話の着信履歴をチェックしながら歩く大沢は、清瀬の名前を見つけクリックした。


「もしもーし。」

「おぉ。一人?」

「ん。今帰ってるとこ。」

「離れられずにいた?」

「つーか、キスしてた。」

「…」

「そっちは?」

「ほっとけ。」

「おまえ、あーゆーのがタイプだったんだ?ハッキリしてて分かりやすい彼女だなぁ。」

「まあ…」

「佳菜子がなんも言ってねーのに、自分のことみたく熱くなってたよ。」

「なに?どした?」

「アイツがヤキモチやかねーから…おまえの女のおかげで、言い訳するタイミングができて助かった。」

「なんも聞いてねーし。」

「たいしたことじゃねーから。」

「…堀口ってさ、感情とか外に出さないし…自分の中で勝手に解決するところがあるから。」

「人の女のこと、解ったように言ってんなよ。」

「おまえが切り出した話だろ。」

「…たまにさ、俺って必要ないんじゃねーかと思う時あってさぁ…」

「おまえをそーまで落ち込ませる堀口って、何モノ?」

「おまえには分かんねーよ。」

「俺、素直じゃない女はダメだから。」

「俺だけで、いーんだよ。」

「男子校って、そんなに“女”に執着してんの?」

「皆じゃねーだろ?ま、俺のまわりはそんなヤツばっかだけど、俺は違う。」

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