どこかで誰かが…
「ごめん。練習のあと語らっちゃって…ほら、高校サッカー、テレビでやんじゃん。来年は、夏より先まで進もうぜ!って、皆、熱くなっちゃってさぁ!ヤケドするかと思ったぜい。」

「…お好み焼き、熱いもんねー」

「あれ…バレた?」

「におうよ。」

「マジ?」


ケーキを佳菜子に渡し、服をクンクンと嗅ぎまくる大沢。


その隙に佳菜子は、ベンチに腰掛け、膝の上で箱を開けて言った。


「なんでホールのケーキかな…」

「だって、クリスマスじゃん。」


スキップで近寄り、佳菜子の前にしゃがみ込んだ大沢は…

「あーん。」

と、口を開けてみせる。


「それがしたかったの?」

「そーゆーこと。」


クスクスと笑ってはフォークを袋から出し、ケーキを堀りながら、

「このフォーク小さい!大きく取って、その口の周りをクリームだらけにしてやろうかと思ったのに!」

「したら、そのままキスして、おまえの顔になすりつけてやる。」

「あは、そしたらコレごと顔に叩きつけるもん。」

「いーよ。そんかし、責任持ってその俺の顔、舐めてもらうから。」

「キモい!」

「食べ物は大切にしないと罰が当たるって習ったろ…あ〜ん。」

「ん、」

「…うむっ!うまっ!」

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