どこかで誰かが…
「どれ?」

「んんん!俺が食わしてやる!」

「やだ!絶対、変なことするもん!」

「…それって前振り?」

「違う!」

「いーから、ほら!口開けろって!」

「えー……あ…」

「ん。」

「…うん!美味しい!」

「だろ?あ、俺のイチゴちゃーん。」


イチゴを頬張りながら、さらに、佳菜子の口にケーキを運ぶ大沢は、

「んん!」

「あ、ごめんごめん。」

佳菜子の口の脇につけてしまったクリームを、指でとってぺロっとなめた。


「んめっ!」

「ばーか。」


そして今度は、わざと自分でクリームをつけては、

「ん!やってやって!」

と、同じことを強要し、

「直に舐めてもいーよ。」

と、ふざけてみせる。


「するワケないでしょ。」

と、とりあえず佳菜子も、大沢が顔につけたクリームをとってあげたのだが…

その指を、どうしようかと悩んでいると、
指めがけて、大沢がパクッとくわえてきた。


「ちょっとおーほほほ。」


照れ笑いする佳菜子。

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