どこかで誰かが…
前を歩く二人が、あまりにも見せつけてくれるので…

「佳菜子もさ、クリスマスプレゼント、腕時計じゃなくて手袋の方が良かったんじゃないの?」

つい、イヤミが出てしまうゆっこ。


「手袋なんかいっぱい持ってるよきっと…手作りの。さすがにできないだろ?」

「あ…手ぇ繋ぎたかったんだ…ってことにしておこう。」

「時計、喜んでたよ。」

「してる?」

「してた。」

「…ちょうど壊れたんだってね。」

「俺も時計が良かったなぁ。」

「なんでもイイって言ったじゃん!」

「普通、聞くか?」

「だって、何がイイのか、分からなかったんだもん…」

「嬉しいっす!マフラー、暖かいっす!」

「…」

「一緒に巻く?」

「張り合わないんでしょ!」

「あ…」

「…ぷっ!」

「なに?」

「でもさ、大沢くんて、どんだけ女の扱いに慣れてんのかと思ってたけど…実は、そーでもないことが分かって…」

「?」

「クリスマスプレゼント、何か知ってる?」

「え!」


清瀬は焦っていた。


知ってるも何も、一緒に買いに行ったのだから、知らないはずがないのだ。


それなのに…

清瀬は耳を疑った。

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