どこかで誰かが…
その後の、その後のエピソード
来年の大晦日は、決勝に向かって大変だからと…夢を語る大沢は、ゆっこと清瀬もひっぱり込んで、初詣へと出かけた。


あまりの人混みに、さすがに手を繋ぐ清瀬とゆっこをからかう大沢。


「やめなよ。」

「だって、あんなキヨ初めて見るじゃん!」

「こんな時だから自然体で手を繋げるんでしょ。」

「じゃあ、見せつけちゃう?」

「つけない!」

「おんぶしたげよっか?」

「いーから!」


大沢は、いまだに清瀬に執着している。


お詣りを済ませた後、初日の出を拝めるスポットまで足をのばすが…考えることは皆同じで、かなりの賑わいだ。


「ちょい待ち!あったか〜いの買ってかね?」


自動販売機の前に立ち、小銭を取り出しながら、

「何飲む?」

佳菜子に聞く大沢。


「わーい。えーとね、紅茶!」

「コレ?」

「うん。」


自分はカフェオレを押しながら、

「あ、コーンポタージュも良かったなぁ」

と、取り出し、

清瀬達が買うのも待たずに、さっさと歩きだす。


佳菜子は飲み物で手を暖めながら、後ろの二人を気にして歩く。


そんな佳菜子の手をとる大沢は、繋いだまま、自分のアウターのポケットの中へと入れた。

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