どこかで誰かが…
「じゃあ今度連れてってやるよ、クラブ。」

「え、」

「それならやっぱ、挨拶に行かないとだな!それから、煙草は吸わない方がいーよ。キスの時、あんま良い思い出がないんだ俺。」

「…。」

「あれ?勘違いすんなよ!別に、キスを催促してるんじゃないからな!ま、焦らずにさ、」

「焦ってなんかいません!」

「え、そうなの?」

「…なに?」

「ちょっとは焦らない?」

「べつに。」

「あ…そう…なんだ。」

「…ぷっ!」

「なんだよ?」

「だって、つきあう前とじゃ、全然イメージが違うと思って。」

「そりゃあ…あの時は秋山がいたし…おまえのことも、男がいるのに合コンに行くヤツだって思ってたから…」

「そんな風に見てたんだぁ!」

「だってほら、あのキヨって…」

「あぁ…」

「キスしても動じないし!早く帰りたがるのも、遠回しに“その気がない”ってことだと思ってた。おまえにしてみりゃ、俺も秋山も雑魚なんだって…男を小馬鹿にしやがってって思ってさ!なのに俺、その前に古いナンパ台詞みたいなの言っちゃってたろ?なんか、引き下がれなくなったって…急に張り合っちゃったんだよなぁ。…でも両手が食器で塞がって、口しか空いてなかったから」

「それでキス?」

「クラっとキタろ?」

「オェっとしたよ。」

「コイツっ!…そうだ、そのキヨにも会わせろよ。」

「なんで?」

「…視てみたいから。」

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